論文題目:
群集の経路プランニング
概要:
近年、群集に関する事故が多く発生しており、その原因として群集の混雑が挙げられ
る。多数の歩行者集合である群衆が同一経路上を移動することで、移動効率の低下による
滞留が起こり、将棋倒しなどの事故が発生するのである。このように群集の混雑は回避す
べき状況であり、その解決が望まれているものである。
本研究では群集同士の混雑を回避した、効率的な移動経路を計画できるようにすること
を目標とする。具体的には、群集シミュレーションでよく取り上げられる事例をもとに、
群集の混雑問題が起こる原因を調査し、それらを再現した移動空間を作成する。次に歩行
者モデルを利用し群集を形成し、対象となる空間上を移動させ、群集の混雑が発生する状
況を再現する。これに対する経路プランニングを行うことで、群集が混雑する原因を解
決する。そして、経路プランニング前と後で比較を行い、その有用性を検証した。その結
果、経路プランニングした経路を移動した場合に、群集の混雑による歩行の滞留が減少す
るという結果を得ることができた。