論文題目:
リアルタイム3DCG における米国漫画調レンダリング手法

概要:
米国漫画にセル画との共通点が多数ある事に着目し、セルシェーディングの技術を拡張 してリアルタイム3DCG を用いて米国漫画調の画像を表示するための研究を行った。そ して、その成果として米国漫画の特徴である斜線やスミベタによる陰影表現、輪郭線描 画、そして光線表現やハイライトなどの特殊効果をリアルタイム3DCG 上で再現する手 法を完成させた。 近年、写実的ではなく、油絵調や鉛筆画調、セル画調等の一般的に人の手によって描かれ ている画像を3DCG を用いて再現するノンフォトリアリスティックレンダリング(NPR= Non-Photorealistic Rendering) の研究が盛んに行われている。処理が重いためフレーム ベースのCG で使われることが多かったNPR であるが、近年のグラフィックスハードウェ アの進歩により、PC やゲーム機上でリアルタイムに処理を行うことも可能となってきた。 そして、NPR の中でも比較的簡単な技術である、セル画調の画像を表現するセルシェー ディングを用いたインタラクティブコンテンツが多数発表されている。 また、近年、米国漫画(アメリカンコミック、俗に言う「アメコミ」)を原作とした映 画が多数公開されるようになり、米国漫画作品が注目を集め始めている。しかし、それら の作品を題材としたインタラクティブコンテンツを製作する際、写実的な表現にするか、 従来のセルシェーディングを用いた表現にするに留まり、米国漫画らしさをうまく表現で きている作品がないのが現状である。 そこで本論文では、リアルタイム3DCG 上で米国漫画調の画像を表示するための手法 を提案する。

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