はじめに

このページでは、LaTeX に初めて触れる皆さんにお届けするトピックをまとめています。

LaTeX とは

そもそも LaTeX とはなにか、というところから疑問の方もいると思います。 そこで、とりあえずLaTeXで文章を書く上で必要となる点だけをまとめてみます。

以上のような流れになります。 この LaTeX を使ってもらうために必要な作業は、

という流れになります。

LaTeX のセットアップ

まずは環境のセットアップですが、今はいい時代になりまして、必要なファイルを 勝手にダウンロードして収集し、勝手に解凍して配置してくれる素敵ツールが存在します。

研究室のデスクトップPCにはTeXインストーラでセットアップ済みですが、来年度からはTexLiveに移行する予定です。 個人のPCにインストールする場合、4G程度ディスクを空けておく。

ここでは、TeXLiveとTeXインストーラという2つのツールを紹介しますが、インストールするのはどちらか1つのツールだけで十分です。 2つインストールするのはパスの設定が煩雑になったり、ディスクの容量を無駄に埋めるだけなので推奨しません。

経験的に、学内でセットアップしようとすると、ネットワーク絡みのエラーが出やすいです。 その場合は、プロキシ関連の設定や接続先を変更してみましょう。

TeXLiveを利用する場合(こちらの方法を推奨)

http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/?TeX%20Live#tlnet

このサイトの適当なリンク(ミラーサイトのJAISTなど)から、install-tl.zip を取得する。 展開後、install-tl-windows.bat をダブルクリックする。環境変数を自動で追加するため、必ず管理者権限のユーザで実行する。 「規定リポジトリを変更」にチェックを入れて「次へ」をクリックする。 ミラーで、リストボックの右端のボタンをクリックし、日本の適当なサイト(JapanのJAISTなど)を選択する。 あとは c:\texlive\2014 あたりにインストールして、後は流れに任せて画面をクリックしていけばインストールが開始されます。

TeXインストーラを利用する場合(以前までのセットアップ方法)

http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~abenori/mycreate/

「作ったもの→まだやる気のあるもの→TeXインストーラ3 0.xx」をダウンロードして解凍し、abtexinst.exe(TeXインストーラ3 0.81r7の場合) を実行してください。 言われるがままに画面をクリックしていけば、すべてが終わります。 最後に環境変数を追加するため、必ず管理者権限のユーザで実行してください。 もしうまく行かなかったら、同梱されているテキストファイルを参照してください。 経験則ですが、2回インストールするとうまくいくことがあります。

TextPad の設定

cygwin を使った経験がある人もいるかと思いますが、ここで行う設定も、 TextPad で便利に tex ファイルをコンパイル&閲覧するためのものです。 「俺はメモ帳とコマンドプロンプトで生きていく!」というなら行う必要はありません。 でも大多数の人にはそれだときついでしょうから、以下の手順を行ってください。 batファイルを利用する場合は、手順1は必要ないかもしれません。

1. まずは、TextPad のメニューからコンパイルと閲覧のためのコマンドを登録します。

 設定→環境設定→ツールマネージャーを開き、追加ボタンを押してください。

 追加する項目にはプログラムを選択し、platex.exe と  dviout.exe をLaTeXのインストール先のフォルダから選択し登録します。一度適用ボタンを押したら、左のツリーメニューから追加した項目を開き、platex の引数に $FileName を、dviout の引数に $(BaseName).dvi を入力します。ついでに、開始フォルダに $FileDir が入っていることを確認してください。

 TeXLiveをインストールした場合、platex.exe と dviout.exe は C:\texlive\2014\bin\win32 にある。TeXインストーラの場合、 platex.exe は C:\w32tex\binに、 dvioutは、C:\w32tex\dviout にある。

 また、platex の方には「開始前にすべてのドキュメントを保存」にチェックを付けると便利でしょう。

2. これで TextPad から LaTeX を制御することはできるのですが、更に使いやすくする方法を述べます。

 設定→新規ドキュメントクラスの作成で、LaTeX ファイル用のクラスを作成します。

 ドキュメントクラスの名前は LaTeX などにし、クラスメンバーには *.tex を指定します。

 次のシンタックスハイライトの使用にはチェックを入れ、定義ファイルの一覧から LaTeX.syn を選択します。これで LaTeX のタグなどが色違いで表示されるので、書きやすさが段違いになります。

 ここまでの設定が済んだら、設定→環境設定→ドキュメントクラス内に今作ったクラスが追加されているので、詳細な設定をお好みにいじってください。フォントは固定幅のものにし、改行は折り返し表示がおすすめです。

論文用テンプレートファイルのコンパイル

論文用テンプレートファイルをコンパイルしてみましょう。 研究室のサーバーから必要なファイルをダウンロードしましょう。 ダウンロード先は先生、院生から指示しますので、分からなければ聞いてください。

解凍すると、色々ファイルが出てきます。最も重要なのは、 main.tex というファイルです。TextPad で開いてみましょう。 「\コマンド{引数}」のように色々書いてあるファイルだと思います。 とりあえずこのままコンパイルしてみましょう。

先ほど登録した platex のコマンドを実行します。 うまくいけば、「何も問題がなく終了しました」というようなメッセージが出ます。 そうしたら次は dviout を実行してください。ページが出てくるはずです。 また、pdf作成batファイル(makePDF.batか、texMakePDF.bat)を使えば一発でpdfを作成してくれます。

ほら、何かもう大層な論文を書いた気分に浸れませんか?

dviout を起動したついでに、後々のために少し設定を変更します。 Option->Setup Parameter->Graphic を開き、真ん中あたりで GIF:raw PBM となっている項目を BMP(fullcolor) に変更し、その下の SAVE ボタンを押してください。 これは画像を埋め込んだ場合の表示方法に関する設定です。

書き始めるにあたって

中間報告書の場合

中間報告書はgs_center_template.tex に本文を記述していきます。 中間報告書は卒業論文ほど長くないと思うので、複数ファイルに分割はしていません。

卒業論文の場合

では、テンプレートファイルのコンパイルから先に進むにはどうするかを説明します。 本文そのものは、main.tex とは別のファイルに記述していきます。 main.tex の中に、

% ここから本文ファイルを挿入

% \input{chap1}
% \input{chap2}
% \input{chap3}

という欄があると思います。行頭の % はコメントアウト(C++/Java の // に相当)になっていて、メモ書きやボツ文章を残しておくのに使えます。

で、別ファイルに記述した文書は、こうやって input 文で挿入するわけです。自分が追加したファイルに応じて、コメントを解除するなり、自分で input 文を追加するなりしてください。

肝心の中身ファイルの書き方ですが、これはもう、世の資料などを参照してもらうしかありません。全部書くくらいなら私は LaTeX の本を出せてしまいます。とりあえず最低限は、そのファイルで書く章の名前を、

\chapter{はじめに}

のように最初に入れておくくらいです。後は Try & Error でがんばりましょう。


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