論文題目:
切り起こし180 度型折り紙建築の設計支援に関する研究
概要:
折り紙建築(Origamic Architecture) とは、二つ折りの紙を開くと形状が起き上がるペー
パークラフトである。折り紙建築という言葉は当初建築物の表現に利用されていたことに
由来するが、現在では建築物に限らずあらゆる物を表現対象としている。現在グリーティ
ングカードや個人の趣味などの用途で利用されており、様々な展開図を掲載した型紙集が
数多く存在する。
折り紙建築には様々な形状表現手法が存在し、その中の1 つに切り起こし180 度型と呼
ばれるものがある。切り起こし180 度型の折り紙建築は二つ折りにしても厚みが増さず、
他の手法より収納性に優れている。その一方で、切り起こし180 度型は折り紙建築の中で
特に設計が困難な手法である。設計には図学の知識と経験が必要であり、熟練者が試行錯
誤しながら設計しているのが実状である。折り紙建築の設計を支援する研究はこれまでに
も存在するが、切り起こし180 度型に関しては研究が進んでいない。
本研究は、切り起こし180 度型折り紙建築の設計を支援することを目的とする。あらか
じめ用意しておいた3D 形状から切り起こし180 度型折り紙建築の展開図を生成する手法
を提案する。本手法によって展開図設計にかかる時間と試行錯誤の回数を削減でき、制作
者の労力や紙のコストの削減を可能とする。本手法については実際に実装し、その有効性
を確認した。