論文題目:
剛体シミュレーションにおける剛体の床上の静止状態処理の高速化に関する研究
概要:
剛体シミュレーションとは、物体が決して変形しない剛体であると仮定して、物理計算
を行い剛体の運動をシミュレートするものである。剛体シミュレーションはロボティクス
やコンピュータグラフィックスなどの分野で研究がなされている。剛体シミュレーション
はゲームや映画などのコンテンツ産業における応用など、さまざまな場面で利用されてい
る。剛体シミュレーションに関してはさまざまな研究がなされており、現在はリアルタイ
ムシミュレーションにおいては撃力ベース法や制約ベース法などが主流となりつつある。
床の上で静止し続ける剛体や、他の剛体と衝突し静止状態を続ける状況を実現する際
に、既存手法では剛体に働く力や撃力を求めることで静止状態を実現している。本研究
は、既に静止した剛体の静止状態を維持するシミュレーションの実行において、力の計算
を省くことで既存手法に比べて高速に実行できる手法を提案する。
最後に、本研究で提案する手法と撃力ベース法との速度比較を行い、複数の剛体が静止
状態を維持するような、特定の状況のシミュレーションでは高速化が可能であることを示
した。