論文題目:
人間の行動特性を考慮した雑踏における自律エージェントモデルの歩行行動

概要:
現在、映画・テレビ・ビデオゲーム業界などの様々な映像コンテンツ産業において、3DCG キャラクタによるキャラクタモデルの群集を制御し、エキストラ役者の代用として使用す る機会が増えている。しかし、既存の群集モデルの制御手法ではキャラクタの構成員全体 の集合行動を考慮した研究は多いが、雑踏を歩行するキャラクタの群集のように個々の動 きが重視される場面での反応はランダムな数値によって個性の差を出しているものが多 い。実際の志向性を持たない他人同士の群集は、集団行動を行う群集に比べ性格や外見的 特性などの個性がそれぞれの歩行行動に大きな影響を与えるため、ランダムな数値だけで は表現しきれない歩行行動をとることがある。そこで、本研究では志向性を持たない群集 モデルの個々のキャラクタの個性化を図る手法を提案するために、行動科学の集合行動の 研究に対し、対人距離論の特性を取り入れた。その結果個々の群集モデルに実際の人間に 見られるような歩行行動のばらつきを確認した。 このパーソナルスペースが引き起こすいくつかの特徴的な要素を考慮した結果、歩行モ デル集団にも実際の人間に見られる歩行行動のばらつきを確認した。

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